CoderDojo に興味を持って頂きありがとうございます。本資料では CoderDojo の活動内容と連携事例をご紹介しています。様々な組織との継続的な連携に際し、ご参考にして頂ければ幸いです。
CoderDojo は、子どものためのプログラミング道場です。2011年にアイルランドから始まった国際的な非営利活動で、日本には205以上の道場があります。全国各地で定期的に開催され、延べ10,000人以上の子ども達が楽しみながら様々な作品を創っています。
CoderDojo の特徴は、オープンソースと呼ばれる文化に根付いた非営利のコミュニティである点です。例えば PHP や Perl, Python, Ruby といったプログラミングのコミュニティが横断的に関わっており、中には業界の第一線で活躍される方々にもご協力していただいております。現在はさらに、エンジニアやデザイナーだけでなく、各地域の保護者や学生などにも広がりを見せています。
また、CoderDojo では統一したカリキュラムは採用していません。代わりに必要な時にメンターが相談に乗ったり、子ども同士で学び合うことを推奨しています。これは受動的に何かを教わることよりも、作りながら主体的に学ぶことに価値があると考えているからです。このため、子ども達が自発的な興味・関心を追究する「広場」のような場所として、CoderDojo が存在しています。
千葉県柏市では、2017年度より全国に先駆けて市内にある42校すべての公立小学校において、プログラミングの授業を開始しました。この授業は、柏市教育委員会と CoderDojo Kashiwa が共同で進めたプロジェクトです。教育行政と CoderDojo が連携する際のご参考になれば幸いです。
柏市では小学4年生の総合的な学習の時間を2コマ使い、Scratch を使ったプログラミングの授業を行っています。CoderDojo Kashiwa が柏市教育委員会と協力して行っているのは次の3点です。
Scratchを使ったカリキュラムを作成するサポートを行いました。初めてプログラミングをする子どもたちでも作れるミニゲームの提案やプログラム作成のサポートをしています。
夏・冬に行われる現場の先生方を対象とした研修会にて、プログラミングを子どもたちに教える際に気をつけるべきことや、ポイントなどを先生方にご紹介しました。また、一部の先生は実際に CoderDojo に来て、子どもたちの様子などを見学されていました。
CoderDojo と教育委員会が共催して、プログラミングイベントを開催しました。CoderDojo Kashiwa が主催した ScratchDay 2017 in Kashiwa では、教育委員会の先生方にご登壇いただき、柏市の目指すプログラミング教育についてのクロストークを行いました。また、8月に教育委員会が主催した「かしわプログラミングフェスタ」では、CoderDojo Kashiwa がワークショップを行いました。
CoderDojo Kashiwa と柏市教育委員会の連携について更に詳しく知りたい場合は、次のサイトを御覧ください。 https://coderdojo-kashiwa.com/project/kashiwaprogram/
学校の授業でプログラミングに触れた後に、さらにやりたいと思った子どもたちがより深める場所として CoderDojo に来てもらうのもいい連携方法です。2020年に全面実施される次期学習指導要領には、「社会に開かれた教育課程」というキーワードがあります。これは、学校教育も地域社会の活動と連携していくべきだという考えです。全国に広がる地域社会活動の CoderDojo は、教育行政との親和性が高いと言えるでしょう。